全国の靴修理ならびにそれに携わるみなさまこんにちは!超ひさしぶりの古靴再生計画のお時間ですよ😊
靴のことはある程度再生できるのですが、自分の体重は当時のスリムな時代にまったく再生できません👯あのころの私はみんなの思い出の中に。
さて!今回のクラックまみれのグリーンは思い出なんかにさせないですよ!しっかりきれいに戻して美しく履いてやるんだから!!!と思ったのですが、せっかく買ったのに、サイズが小さいんですよね。。。
くぅ。履きたかったぜ。君はしばらくうちの事務所のディスプレイだあ!!!!ということで行ってみましょう。
まずは最初の状態確認から。う~んクラックひでえ。バキバキに割れておられますね。日々のケアがどれほど大切か感じさせてくれますなあ。こうならないようにケア用品も修理後一緒に提案してみてくださいね。
作業1
“兎にも角にも脱脂”
毎度おなじみ油抜きから。ブログ読んでくださってる方はもう解説不要ですね。なにで脱脂するかって?せ~の!CESコンディシ(割愛)メーカー様にも失礼なので、一応載せておきますね🐰
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作業2
“クラックの部分・周辺にひたすらヤスリ掛け”
私はどれだけ症状がひどくとも粒度は#400まで。#240くらいもほんとに稀に使用しますが、一撃で新しい傷を生むきっかけになる可能性も秘めています。
#400と#600で攻めるだけ攻めて、どんどんペーパーは使い捨てで危険回避してください。完全に均してしまうとアッパーに穴が空くので、ある程度でいいですよ。
作業3
“バインダーを流し込む・乾かす・ヤスリ掛け”
写真のようにバインダーを注ぎ込み、乾かし、ヤスリます。わかりやすいように大きなキズの部分に大量にバインダーを流し込んでいますが、ここまでしなくて大丈夫です。笑
バインダーは原液で!私はよく100均のスポイトで流し込んでいます。刷毛でもいいのですが、周りの余計なところにたくさんバインダーが固着して余分にヤスリしないといけないので、めんどくさいです🤢
バインダーを差したら必ずドライヤーで温風あてて乾かしてから!半乾きでやるとぜーーーんぶまとまって剥がれますよ~🤗
ヤスリは革に対してバインダーがどれだけこびりついてくれるかにもよるので、いろいろ試してみてください🐔ぼくは臆病なので、#800スタートです笑
このバインダー流し込み→乾燥→ヤスリのループ作業を埋まるまで、阿修羅のごとく鬼の表情で行います。
急な来客の受付対応でも阿修羅フェイスを引きずらないことがワンポイントアドバイスです🐯
均し終えた状態はこんな感じです。このあたりまできたら、いつも通り表面塗装してもらえたら大丈夫です。
基本傷埋めの際はバインダーに色付けしませんが、傷埋めが終盤に近づいてきたら調色した塗料を少しだけバインダー原液にまぜてやると日光でも透けにくいですよ!
写真のかんじまで均し終えれば最終塗装してもらって、色止めフィニッシュ!ちなみに今回は私の激オススメアイテムの一角のTARRAGOシュークリームの力を借りました。
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とくにクロは色づきが非常によく、なによりヤスったところと無加工の革の表面を同じレベルで色付けしてツヤも同じ風合いに合わせてくれます。
クリーム塗布→ブラッシングを2.3回繰り返してきれいに仕上げました!ワックスかけてあげるとより色止め効果は期待できます。
仕上がりはこんな感じ。曲げても全然大丈夫です。さすがウレタン塗料ですね!時間はかかりますが、それなりに美しく仕上がりますよ!やっぱりグリーンかっこいいなあ!😊
以上、古靴再生計画vol.4でした!
(株)昴 外園