どうも皆さんおひさしぶりです(@^^)/~~~

営業部の外園健吾です!寒さの中に温かさを感じる季節になりましたねえ🌸🌸今年は人生で初めてオイルジャケットを購入して、来年に向けてエイジングを頑張っています。

ジャケットのエイジングを楽しむと同時に自分も年を取っていることを忘れてはいけませんね👨僕は今年から三十路です。ジャケットはエイジングしても自分自身はニベアクリームで顔面アンチエイジング!!!

(‘ω’)?

さて、靴修理といえば靴底の修理が一般的ですが、今日は久しぶりにアッパーの修理をしてみました👞✨

賛否両論ある修理になりますので、これは修理じゃないよ!と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。が、こんなこともできるんだあ、、、程度に見ていただけるとうれしいです。。。

さあ今回紹介するのはこちら~~✨✨
エドワードグリーンです。某フリマアプリでとんでもない格安で仕入れました🙇

お写真の通り革はバキバキ、ライニングもズタズタ、しかし私の心はどのようにリペアしてやろうかとメラメラと燃え上がっています!エドワードグリーンなんて定価で買えるほど私の経済力は高くありません💰

しかし、日本の技術力の高さをこのおしゃれなイギリス靴に魅せつけてやろうと思います(意味不明)

特にこの右足の小指部分なんてアッパーが貫通しそうなくらいすり減っています。ですので、わかりやすいように今回はこの右足中心にお写真を掲載していきますね。

前もってアッパー修繕の工程表を先にお伝えしておきます。

工程1 丸洗い
工程2 乾燥
工程3 ヤスリ掛け
工程4 補修材の調合
工程5 補修材を塗る、ヤスリ掛けの繰り返し

 

✅工程1
丸洗いです。乾燥しきってカスカスなので丸洗いやめておこうかなと思いましたが、自分でも気が付いたら丸洗いしてました。洗ってみてびっくりしたんですが革質と色ががめちゃくちゃ変化しました。

ぎん面がほぼない状態だったのでこうなったのかなあ。普段丸洗いしててもここまで劇的な変化をもたらしたことはなかったのでちょっとへこんでいたのを覚えています。

半乾きの状態ですが、すんごい赤くなりました。普通のクリーニング依頼だとクレームですね。ただ、これはこれでかっこいいので、この段階で私のテンションが復活しました。

こんなボロボロなのに、どうしてこんなに存在感があるのでしょうか。ラストが美しいからでしょうか。ため息がでるほど美しかったです。これが恋、、、🥰🥰🥰?



工程2
個人的に洗う過程よりも大切にしているのが乾燥の工程です。私は乾かしながらデリケートクリームをこれでもかと塗っていく方針を採用しています。

ライニングもアッパーもコテコテにしてます。が、今回は染替えする予定だったのと、靴自体のポテンシャルが高かったのと、そういった因子もあり、乾燥時は1度だけこちらを入れました。
SAPHIR デリケートクリーム
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https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=549

バインダーで塗料を乗せるときはあんまり油を革に含ませたくありません。油でバインダーがはじかれちゃうときがあります。ただ、そうはいっても革は乾燥時に(革から水が蒸発する際に)とんでもなくダメージを負うそうなので、デリケートを最低限入れながら、日陰でじっくり乾かしてください。

具体的にはタオルドライ→新聞紙をこれでもかというくらい入れて日陰干し→デリケート→日陰干し→デリケートして、半乾きくらいならこの辺でキーパーいれる→日陰干し→デリケートのループで乾かしています。

※僕は一回目のデリケートぬりぬりタイムで新聞紙は取っちゃいます🙇

丸洗いが終わった後、乾燥に入る前に加脂材を添加した水に漬け置きするのもいいです。

あんまりやってらっしゃる方は少ないですね。毎度デリケートクリームを塗るのが煩わしいときはこちらがおすすめですよ。ただその際は油で変色の恐れがある革もあるので気をつけてください。(特にヌメ)

加脂材はこちら👇👇👇

PP 皮革用加脂剤(皮革用柔軟剤) 200cc
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ほぼ乾燥しきったくらいの一番クラックがひどい部分のショットです。もはやクラックっていうのかなレベル。。。

しかし変色がきっついですな。いつもはここまでは変色せず出来てるんですがね、、、丸洗いに自身あったがゆえに負け惜しみを言っておきます。

 

工程3
気を取り直して今回一番肝心な作業になるヤスリの工程に入ります。私は今回は200番で大まかな均しをし、350~400番くらいで全体の革の表面のバフ具合を均一になるように頑張りました。

その時の写真が一番大切なのに、撮り忘れた私は絶対インスタグラマーにはなれないなと悟りました。

この写真はまだヤスリ途中ですが、クラックがひどすぎてこれ以上攻めれない状態です。これでも相当削りました。この作業でできるだけ、どの部分も同じレベルになるようにヤスリ掛けをしてください。写真のようなヤスリムラがあると染料染めでない限り失敗するとおもいます。

とくに今回使用するバインダーは塗膜を何層にも重ねてつくるものなので、表面がバフ不足だとぺりぺりはがれます。接着と同じ要領ですね。

端の方で試し塗りをしてみて、はがれそうな雰囲気がなかったので、シンナーによる脱脂はしていません。

丸洗いしない際はヤスっても革が油を含んでいると、ハガレが起きてしまう原因です。その際はしっかり脱脂してください。基本表面は脱脂したほうがいいです。

専用の溶剤もありますので要チェック👍👍👍
【お取り寄せ品】PP アンカーバインダー(下地密着補強剤) 500cc・4L
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工程4

今回はフェニックスプロ(以下PP)シリーズを使用しました。
まず

PP レザーカラーペースト 100cc
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そして

PP レザーバインダー(下地剤)
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さらに

PP レザー用パテ 100cc
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https://www.subaru-ec.com/products/detail.php?product_id=587

今回はクラックがひどく、埋めるための補修材としての役割が高いため、仕上げ用のツヤ度合いを調整するものは入れてませんが、もし、ひび割れがそこまでひどくない場合はレザーマットクリアやレザークリアなどでツヤの調整をこの段階で行います。

安心してください。仕上げ用の補修材の調合は後編にて記載しておりますよ(‘ω’)

今回は割合を変えて二種類の補修材を作成。

ベースとなるA【カラーペースト:バインダー=1:9の割合くらい】とクラックがひどい部分の埋め材としてB【カラーペースト:パテ:バインダー=1:2:7の割合くらい】を調合しました。

PPのパテは結構緩いので、パテのみでキズを埋めがちですが、メーカーさんによるとできるだけバインダーで仕上げるのがいいそうです。

今回作業してて僕も思いました。まじでパテだけは剥がれます。気を付けてください。僕は今回パテを多めに入れすぎて2回くらいヤスリでベース崩して泣きました。

あの悲しみは私を強くしてくれました。さて、具体的に塗りとヤスリの説明していくと、Aを2~3回くらい重ね塗りしてベースを作りBでクラックの部分を重ね塗りします(3~4回くらい)

※ステッチやパンチがある際はその部分はできるだけさけてください。埋まっちゃいますんで。仕上げのときにさらっと塗るくらいで十分です。

塗布作業終了時はこのような感じ。

その後はヤスリの作業に入ります。350-400番くらいでベース崩さないように軽くあてて、ヤスリをギターのピックに見立てて弦を弾くようにヤスリます。その次は1000番くらいでしっかりと全体を同じレベル目指してヤスります。同じレベルになっているかどうかは、光を当てて、同じツヤ感になっているかどうか見てください。(今回のレシピだと1000番でヤスるとかなりマットになります。)

布ペーパー(耐水ペーパー)
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番手は少ないですが、弊社でも取り扱いございます。ちなみに耐水ペーパーなので水研ぎもできますよ。

しっかり乾いたあとなら水研ぎもおすすめです。また、ヤスるときのコツはできるだけ短い距離をまっすぐな面をイメージしてヤスるのがいいです。立体的な構造の中で面を見つけるのは難しいですが。

つま先など、カーブさせながらヤスると力の加え方が難しくてベースを崩してしまい、すべてを投げ出してお酒を飲みたくなります。気を付けましょう。

このヤスリで均すのが今回の補修でなにより大事な作業です。面を均一にすることによって割れ、ハガレ現象が一気に減ります。

さらに補修材を塗布、ヤスるを繰り返して、ある程度埋まった姿がこちら。

埋まりましたねえ。写真はちょっと青っぽいですけど、映り方です。黒です。ところどころ茶色の部分はヤスリの段階で出てきたベースの色です。

気になる屈曲させた写真はこちら。

やはりちょっと不自然な部分はあります。が、もちろん割れませんし、あのバキバキ具合がここまで埋まって割れないって素晴らしい補修材ですね。。。

弊社営業部の塚脇先生から、最初ブラックの染料で染料染めをしてからバインダーで加工したらもっと良きでは?というご指摘をいただきました。まったくもってその通りです。

そうするとベースの色が出てきたとしても目立ちませんし、細かいあしらいのバインダーが乗りにくいところにも対応してくれそうです。ぐうの音もでませんでした。でも、、、革のコンディション的に染料はやめておこうっておもったんだもん。。。。ぐぅ。

まあ、これはこれで茶芯っぽくてかっこよくないですか(‘ω’)?えへ

さて、ここまででベースつくりの第一部の前半戦は終了です。ちなみにここまで試行錯誤しながら3時間半ほど経過しています。

つづいて後半戦にいってみましょ~

古靴復活計画 ~エドワードグリーン【後編】~ へつづく。

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